このプロジェクトを開催する5つのまちが運営するブログです。

2007年春のある日、東京、宮城、山形、岩手、北海道でまちの音を採集する目的で有志が集まった。砂利道を踏む足音、鬼ごっこをする子供達、ラーメンをすする音、新幹線のアナウンス、いつもは気にもかけない様々な音に耳を傾け、選択し、マイクでひろっていく。
7月に全国5地域をツアーするピアノコンサート『夏の旅』ではアーティスト向井山朋子がこのまちの音を編集し、『即興曲』を中心とするピアノ音楽のパートとして編み込んで新しいシューベルトを発表します。

   ◆ 各地域の コンサート情報はこちらから ◆

東京都 江東区 宮城県 仙台市 山形県 白鷹町 岩手県 一関市 北海道 札幌市


 旅に出るといつも考えることがある。
 知っている、ってなんだろうって。
 知っていたつもりだった事柄が、一瞬のうちに無効になったり、
 知らない場所の知らない人たちに妙に親しみを覚えたり。

 誰もが聴いたことのあるシューベルトの即興曲に、そこに住む人たちが
 集めた街の音のサンプルを織り込んでいく。
 それは東京から始まって、北に進む旅とともに少しずつ形を変え続ける。
 ゆっくりと、私達が「知る」まえに。
                                        向井山朋子




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2007年7月13日 東京公演から
2007年 08月 30日  
画像編集 ・ 文   とらお  「夏の旅」 東京スタッフ

東京公演のショート・クリップは、向井山朋子のサイト↓で公開中。
http://www.tomoko.nl/SommerReisen.html


そろそろ今年の夏も終わりですね。
でも、わたしたちの旅は続きます。
またどこかで会えることを楽しみにしています。
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by dahadahay | 2007-08-30 19:10 | 東京都 門仲

夏の終わりに
2007年 08月 16日  
文  向井山 朋子

旅先では思いがけない不思議な出来事や、予期しない偶然がおこり、それが人を神妙に、そして少し幸せにする。


コンサート当日、よく知っているはずの東京を感傷的な街にしてしまった霧のような雨。


以前から一度、空間を体験してみたいと思っていた日本を代表する建築物、仙台メディアテーク。その空間いっぱいに意志を持ったように散らばったオレンジの椅子群。


裏山からの闇が、かえるやヒグラシの鳴き声とともに開いた戸から流れ込んできた白鷹山の麓の廃校。

コンサート前夜に平泉の平野に広がった朱色の夕焼け。


札幌でwastedの生理の話を最も共感を持て聞いてくださった優麗な60年代のご婦人グループ。



小さい子供の頃、楽しくたまらない遊びをすると翌日また同じ興奮を味わいたくて、繰り返しの実験をよくやった。

同じ場所で、同じ友達と、同じ時間に慎重に前日の一挙一動を反復するのだが、なぜか昨日のドキドキする感覚は戻ってこず、がっかりしたものだ。

私たちはもう大人になってしまって、シューベルト、街の音、住人の話し声が紡いでいったあの空気、普段の生活から切り取られたような特別の時がもう戻ってこないのを知っている。

だから私たちはまた新しい旅をする。

キラキラした時間を探して。
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by dahadahay | 2007-08-16 00:30 | 現在進行形の向井山朋子

公演時のプログラム
2007年 08月 02日  
「夏の旅」~プログラムノートにかえて
文  向井山 朋子

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 コンサート入り口のところに、Kiriko Mechanicusがアルベルト・ジャコメティの「歩く人」の絵はがきの上に描いたデビルの絵を掛けてある。ジャコメティおなじみの一歩踏み出した細長い足のあいだからはシッポが生え、薄い背中にはコウモリのような羽がついている。街にあふれるグラフィティーの語彙、love, fuck, smileのたぐい、HELLのサインがしてある。
 「夏の旅」は東京、仙台、山形、岩手、札幌に住む人たちが集めてオランダに送ってくれた200以上にのぼる街の音のかけらを選択し、切ったり、編集したりしてサウンドトラックを作り、シューベルトに重ね、それぞれの街に再び持ち帰るというピアノコンサートだ。自動販売機の人工音声、うっとうしい街頭演説、地下鉄の音、そして街にあふれる人の声が、ピアノコンサートという空間に持ち込まれ、古典ピアノ音楽と重なり、そしてまた私たちの日常と重なっていく。
 18世紀、いや西洋音楽史上最も偉大でアンタッチャブルな作曲家、だと思っていたシューベルトを「夏の旅」のために切り刻んで バラバラにしてしまった。解体しサウンドトラックと組み合わせ、もう一度組み立てていく過程で、その作品の宝物のような美しさを手に取るように再認識する機会をえられた。やがて昔の姿を取り戻した今夜のシューベルトはかつての大作曲家シューベルトではなく、踏み出せば寄り添うことのできる‘わたしのシューベルト’となった、ような気がする。
 美術史上に残る大作、何世紀も経た古典作品が時間を超えた普遍の力強さ、いつの時代も人の心に深く永久の美を備えていることはもう知っている。 でも今を生きる私たちひとりひとりは、この大家達のマスターピースとどうやってかかわることができるだろう? 金字塔のような「古典作品」をすこしだけ私たちの側に引き寄せてみることはできないだろうか?
 そうだ、この誰もが知っている「即興曲」に可愛いツノをつけよう。ある春の日にみんなが採集してきてくれた街の音、生活音を槍がわりにして。


【プログラム】
Franz Schubert ‘Impromptus op 90 D899’
フランツ・シューベルト : 『即興曲』

Simeon ten Holt ‘Canto Ostinato’ (1979)
シミオン・テン・ホルト : 『カント オスティナート』 (1979)

Tomoko Mukaiyama
向井山朋子 : 『夏の旅』 (2007)


集められた「200以上のまちの音」

夏の旅プロジェクト
 東京、仙台、白鷹、東山、札幌。それはまったく環境の異なる地域です。4月から5月にかけて各まちの人たちが集めた「音」は、200以上にものぼりました。まちが奏でる多様な音はそこで生きる人々の証のようでもありました。時には、耳をそばだてても音を聞くことができないほど、静寂な場所もありました。音で切りとった私たちのまちは、いつもと違う姿を見せてくれました。

◇ 東京/門前仲町、木場公園、錦糸町・亀戸周辺、隅田川河畔で集められたのは、自動販売機の音、ラーメンをすする音、ATMの音など

◇ 仙台/メディアテークに響く足音、仙台駅の物売りの声、一番町四丁目商店街の人声、おそばさん竹の女将が語る「お客とそばやのエネルギー」の話、市バス・新幹線のアナウンス、朝市の呼び声など

◇ 山形/白鷹町内、滝野交流館周辺、あゆ茶屋・日本一のやな場、最上川河畔、ふるさと森林公園などで集めた小川が流れる音、鉄橋を電車が渡る音、やな場に水が流れる音、枯れ草を踏んだ足音、林のなかの風の音、鳥の鳴き声、ワゴン車のディーゼル音、機織りの音など

◇ 岩手/東山町町内の電車の音や車の音、砂鉄川河畔の音、紙すき館での音、幽玄洞の中の音など

◇ 札幌/モエレ沼公園(鳥、葉の音。子供の遊ぶ声。自転車。ガラスのピラミッドの反響音。)、雪解け水の音、風の音、地下鉄のブレーキ音など
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by dahadahay | 2007-08-02 22:25 | 現在進行形の向井山朋子

各地 コンサート入り口
2007年 08月 02日  
各地 コンサート入り口に置かれていた「デビルの絵」―― Kiriko さんがアルベルト・ジャコメティの「歩く人」の絵はがきの上に描いた絵 ―― をまとめてご紹介します。

■ 東京 ■
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写真  梅坪 弥代 「夏の旅」 札幌スタッフ


■ 仙台 ■
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写真  吉川 由美 「夏の旅」 仙台スタッフ


■ 山形 ■
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写真  梅坪 弥代 「夏の旅」 札幌スタッフ


■ 岩手 ■
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写真  梅坪 弥代 「夏の旅」 札幌スタッフ


■ 札幌 ■
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写真  小牧 寿里 「夏の旅」 札幌スタッフ

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by dahadahay | 2007-08-02 22:11 | スタッフ 彼是

札幌公演 (7月27日)
2007年 08月 01日  
文  十河 清子 (オーディエンスの一人)

 様々な曲を聴いても、その時々それが心地よいというだけで音楽のことは分からない。
が、このコンサートのことを一言で表現するなら、「覚醒」である。曲に酔うどころか、感情(記憶)が浮上してきたからである。
 シューベルトの曲の流れにギーギー、ガーガーと騒音が侵入してくる。(自然音もあるにはあるが。) さらに人の声もガヤガヤ混入されている。(「パパ」、「月末の支払いが」どうとか。) 最初は何でこのような雑音が、と戸惑う。しかも音量が並みの大きさではない。
 エーッと構えると、曲そのものに戻りもするが、連動もある。
 一般的なコンサートが「酔い」であるとしたら、この空間は「揺さぶり」である。しかも、その振り幅は波のごとく大きい。こうした緊張と弛緩が休みなく繰り返されると潜在意識に届く。 
 日常の枠の中にいる時はそれなりに居心地も良いが、自らの思いを押し殺すこともある。このコンサートでは、封印しているドアが叩かれ、保留している問いがムクムクと顔を出す。おのずと己のテーマが押し出されてくる。
 耳をふさぎ、問いから遠ざかりたい人もいるだろうが、私にとってこのコンサートは心地よい相互扶助ではなく、覚醒というギフトであった。
 アートの真髄は脱出、打破という側面を持つと理解しているが、シューベルトそのものに多様性が内包されていると感じた。
 向井山さんの演奏を身近で観ると ―― 身体が意識化しているか、意識が身体化しているのか ―― 「統合」という言葉が浮かんだ。


wasted について (*)

生理と聞くと月をイメージする。朋子さんは月がふたつ。妙に納得。
月は変化する。この世は全て、常ならず。いいですね。物語性バツグンです。
60代なのが残念です。


  (*) 向井山氏は2009年のプロジェクト「wasted」の話をしました。
  詳しくは、こちらの↓公式websiteを見てください。
  http://www.wasted.nl/
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by dahadahay | 2007-08-01 19:10 | 北海道 札幌市

演奏を聴いて : 札幌のアンケート抜粋
2007年 08月 01日  

まるで展覧会を観ているような感覚でした。
向井山さんが話されていた「全ての人がアーティストだ」という言葉が印象的でした。
“アーティスト”という言葉に壁を作っていたのは自分自身であることに気づきました。
(30代・女性)

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by dahadahay | 2007-08-01 00:28 | 北海道 札幌市

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